「多め勢」のルーツは、大正初年、熊本市辛島町にて、現当主田口俊英の曽祖父・六車初次が開業したそば屋「為朝」に始まります。
現当主は「為朝」で修行を積んだのち、「為朝」の「為(ため)」を貰い、昭和43年3月、福岡市に「多め勢」を開店しました。
「多め勢」の手打ちの技法は、江戸前蕎麦の手打ち職人によって伝えられた“三本麺棒”による技術が元になっています。 特に「為朝」三代目・永岡柳祐が完成した“大玉打ち”の技法(畳三枚に広がり、一度に約60人前のそばを打つ技術)は全国でも珍しいものです。
「つなぎを入れず、そば粉のみで、一本の麺棒で打つそば」これは田舎蕎麦と呼ばれる、色の黒い、ポキポキとした短いそばです。 この蕎麦は、いかにも蕎麦そのものの風味があって味わい深いものですが、江戸中期以降にさらに江戸っ子の舌をうならせる蕎麦が誕生します。
それが、「つなぎを少し入れて、三本の麺棒で、一度に大量に打つ」“江戸前そば”です。
ツルツルと喉越しの良い“江戸前そば”は、伝統の味であり、「多め勢」のルーツです。
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